保育士ボーナス事情2026|公立vs私立で100万円差?手取りの真実

2026年5月 ・ 読了5分

結論:公立保育士のボーナスは年4.3〜4.5ヶ月分・年額80〜130万円、私立は中央値で年45〜85万円。基本給差+月数差+地域手当で年75〜100万円の差が生まれる。判断は年収総額(月給×12+賞与+手当+家賃補助)で見る(2026年5月時点)。

「ボーナス、出た?」

その一言が、どうしても聞けない日があった。

同期と年末に会う約束をしていた年のことだ。相手は公立保育士。私は私立の認可園。学生時代は同じクラスで、同じ実習先で、同じ試験を受けた。資格も同じ、経験年数も同じ、やっている仕事もだいたい同じ。

それなのに、冬のボーナスの金額を聞くのが怖くなってしまった。


なぜ「ボーナス出た?」と聞けなかったのか

結局その日、私はボーナスの話題を避けて、クリスマスケーキの話ばかりしていた。帰り道に一人でコンビニに寄って、カフェオレを買いながら「なんで聞けなかったんだろう」と考えた。

答えは単純だ。自分のほうが少ないと知るのが怖かった。

保育士の世界では、公立と私立でボーナスにかなりの差があるというのは、業界の中では周知の事実だ。でも、実際にいくら違うのかはあまり表に出てこない。求人票に書いてあるのは「賞与年2回」とか「2〜3ヶ月分」とか、そのレベル。

このあと、職場のBさんがまさに同じ悩みで私に相談してきた話と、その後彼がどう動いたかも含めて、ボーナスの実態を整理していく。

🧑
保育士Bさん
「先生、ちょっと聞いてほしいんですけど。公立保育士の友達から冬のボーナス額を聞いてしまって、3日くらい寝れていないんです」
👩‍🏫
ベテラン先生
「はいはい、よく聞く話です。金額差、どれくらいでしたか?」
🧑
保育士Bさん
「僕の倍以上でした。倍、ですよ。同じ仕事をしているのに」
👩‍🏫
ベテラン先生
「その『同じ仕事』という感覚がしんどさの正体です。数字の背景、一緒に見ていきましょう」

公立保育士のボーナスは平均いくらか(2026年版)

まず、公立保育士のボーナスの仕組みから。

公立保育士は地方公務員だ。だから給料もボーナスも、自治体の条例と、国の人事院勧告をベースにした地方公務員の俸給表で決まる。個人の交渉や園の経営状況で変わったりはしない。

2026年時点での公立保育士ボーナスの目安

2026年時点の一般的な水準として、公立保育士のボーナスはおおよそこんな感じになる。

人事院勧告は毎年夏に出るので、微妙に上下する年もある。でも、基本的には4ヶ月を切ることはほとんどない。これが公立の安定感だ。

勤続年数で上がる

公立保育士のボーナスは、「基本給 × 支給月数」で決まる。基本給は俸給表で決まっていて、毎年1号俸ずつ上がっていく仕組み。だから長く勤めれば勤めるほどボーナスも上がる。

私の同期(公立・勤続8年目)の冬のボーナスは、手取りで45万円前後だったと聞いたことがある。夏と合わせて年間100万円を超える。

これが、私が「聞けなかった」理由だ。


私立保育士のボーナス平均はいくらで、園でどう変わるのか

次に、私立保育士のボーナス。ここが一番複雑で、かつ大事なところ。

支給月数の幅が広すぎる

私立保育園の賞与は、園ごとに全然違う。求人票でよく見る表現で分類するとこうなる。

支給月数 園のタイプ
4〜5ヶ月分 社会福祉法人系の老舗・大手法人の基幹園
3〜4ヶ月分 中堅の認可保育所・処遇改善加算をしっかり反映している園
2〜3ヶ月分 小規模認可・新興の保育株式会社
1〜2ヶ月分 認可外・企業主導型の一部
寸志(10万円以下) 企業内保育・ごく一部の小規模認可外

2026年時点での私立保育士のボーナス平均年額は、おおよそ45万〜85万円の幅に収まる園がほとんどだ。公立の80〜130万円と比べると、中央値で30〜50万円の差がある。

同じ私立でもここまで違う

👩
保育士Aさん
「私、前職が渋谷のビル8階の企業内保育だったんですけど、ボーナスという名前はついていたけど、実質は寸志で年5万円でした。冬に封筒をもらって中を見たら、5枚入っていて……泣きそうになりました」
🧑
保育士Bさん
「5万円……それはつらい。俺の前の園は2ヶ月分は出ていたから、企業内でそこまで差があるのは知らなかった」
👩
保育士Aさん
「企業内保育って、親会社の業績連動だったりするんですよ。保育園としての評価じゃなくて、親会社のボーナス規定に乗っかっている感じで」

ここが私立の怖いところで、同じ「認可保育所」と書いてあっても、運営母体によってボーナス設計が全然違う。


100万円差はどこから生まれるのか(内訳分解)

「公立vs私立で100万円差」という言葉、業界ではよく言われる。これ、盛ってる話じゃなくて、ケースによっては本当にそれくらい開く。

内訳を分解していくと、差が生まれる理由がよく見える。

1. 基本給の差

ボーナスの計算ベースになるのが基本給だ。

月給ベースで2〜3万円の差がある。これが賞与計算のベースになるので、支給月数が同じでも、金額差はさらに広がる。

2. 支給月数の差

月数だけで1.5ヶ月前後の差。基本給24万円で計算すると、1.5ヶ月分=36万円の差がここで生まれる。

3. 地域手当の有無

公立保育士は、東京都特別区・政令指定都市・県庁所在地クラスで「地域手当」が基本給に上乗せされる。東京23区なら基本給の20%が上乗せされるケースもある。この地域手当はボーナス計算にも反映される。

私立にも地域手当がある園はあるけど、ボーナスの計算ベースに含めているかどうかは園次第。求人票の「基本給」と「ボーナス計算対象」を切り分けて確認しないと、実際の支給額はまったく読めない。

足し算してみる

項目 差額(年間)
基本給ベースの差(2万円 × 12ヶ月) 24万円
ボーナス月数の差(1.5ヶ月 × 24万円) 36万円
地域手当のボーナス反映分 15万〜40万円
年収ベースの差(合計) 75万〜100万円

「100万円差」という表現は、決して大げさじゃなかった。むしろ、地域手当が厚い自治体と、賞与2ヶ月の私立で比較すると、120万円近く開く場合もある。

🧑
保育士Bさん
「……数字で見るとえぐいですね。自分の手取りが少ないの、気のせいじゃなかったんだ」
👩‍🏫
ベテラン先生
「これがしんどいのは、同じ仕事なのに評価が違うと思ってしまうところです。でも、私立にも希望はある。ここから先、ちゃんと見ていきましょう」

私立でもボーナスが高い園はどう見分けるのか

ここまで読んで「じゃあ私立は諦めるしかないんか」と思った人、待ってほしい。

私立でも公立並み、あるいは近い水準のボーナスを出している園はある。見分け方がある。

1. 社会福祉法人系の老舗

30年以上続いている社会福祉法人の保育園は、経営が安定していて、ボーナス4ヶ月分以上を出しているところが多い。理由は単純で、公立と比較されやすいので、人材確保のために公立に寄せてきた歴史がある。

求人票だけ見てもわからないので、法人名で検索して沿革を確認するのが早い。「昭和◯年設立」と書いてあれば、まず老舗。

2. 大手法人・園ブランドを持っている運営母体

首都圏を中心に複数園を運営している大手保育株式会社の中には、処遇改善加算IIとIIIをしっかり職員還元に回している法人がある。ブランドで人材を集めるためにも、ボーナス水準を落とさない経営判断をしているところが多い。

ただし、大手の中にも「運営効率優先」で賞与2ヶ月以下のところもある。大手だから安心、という考え方は危険。

3. 処遇改善加算II・III活用が徹底している園

2025年度に処遇改善加算の仕組みが一本化されたけど、その運用は園ごとに違う。

ボーナスで受け取りたいなら、賞与上乗せタイプの園を選ぶ必要がある。これは面接で直接聞いていい項目だ。

4. 求人票に「賞与実績◯ヶ月」と書いてある園

「賞与年2回」だけの記載は要注意。月数を明記していない園は、支給月数が少ない傾向がある。

「賞与4ヶ月分(2025年実績)」のように、年と月数を具体的に書いている園は、それだけで誠実だ。

👩
保育士Cさん
「私の今の園、求人票に『賞与4.2ヶ月(2025年実績)』と書いてあって、そこで一気に信頼できたんです。実際その通り出ています」
👩
保育士Aさん
「実績値を書いてくれていると安心しますよね。『2〜4ヶ月』と幅で書かれていると、下の月数の可能性が高いと聞いたことがあります」

「ボーナスだけで判断しない」視点(年収総額で見る)

ここで一旦、冷静になってほしい話をする。

ボーナスの金額で一喜一憂するのは自然な感覚だけど、転職判断の軸は「年収総額」で見たほうがいい。

月給 × 12 + 賞与 = 年収

公立と私立で比較するときも、この式で見る。すると、こんなケースがある。

ボーナス月数で見るとB園のほうが魅力的に見える。でも年収総額ではA園のほうが10万円高い。

逆のパターンもある。

D園(公立)のほうが30万円高い。さらに公立は退職金・年金・昇給が私立より手厚いので、生涯年収で見るとさらに差が広がる。

住宅補助・借り上げ社宅の有無もデカい

私立の場合、ボーナスが低めでも借り上げ社宅で月8万円家賃補助が出れば、実質的には年収96万円プラスされているのと同じだ。

どちらが手元に残るかは、住んでいる地域の家賃水準で変わる。東京23区なら借り上げ社宅の威力は大きい。

👩‍🏫
ベテラン先生
「ボーナスはあくまで『年収の構成要素の一つ』です。月給・賞与・手当・家賃補助、全部足して初めて自分の暮らしが見える。一個だけ見て判断すると、後悔しますよ」
🧑
保育士Bさん
「……今まで数字の一部だけ見てモヤモヤしていた気がします。全部並べて計算したら、意外と自分の園は悪くないかもしれません」
👩‍🏫
ベテラン先生
「そういうこと。で、それを自分で全部聞き出すのはしんどいでしょう?求人票に書いていない部分を、誰かに代わりに聞いてもらうというのも一つの手なんです」

求人票に載らない「実績ボーナス」はどう調べるのか

ここが一番大事な話で、求人票に書いてある賞与月数と、実際に支給される月数は、一致しないことがある。

求人票の「2〜4ヶ月」のワナ

「賞与年2回(2〜4ヶ月)」という書き方の園、要注意。

これ、過去10年で1回でも4ヶ月出したことがあれば「2〜4ヶ月」と書ける。実際には毎年2ヶ月しか出ていないケースもある。

直近3年の実績支給月数を確認する

知りたいのは「直近3年の実績ボーナス月数」だ。

この3年分を比べて、毎年同じくらいの月数で推移しているなら信頼できる。ガクッと下がった年があるなら、園の経営状況の変化を疑っていい。

自分で園に聞きにくい項目

面接で「直近3年のボーナス実績を教えてください」と聞くのは、正直つらい。聞いた瞬間に評価が下がりそうで怖い、という人が多い。

実際、多くの保育士がボーナスの実額を知らないまま入職している。入ってみて初めて「聞いてた話と違う」となる。

ここで役に立つのが、非公開求人の情報を持っている転職サービスだ。

レバウェル保育士

は、園との関係性を活かして「直近の賞与実績」や「処遇改善加算の反映方法」まで園に直接確認してくれる。求人票には載っていない実額ベースの情報を、自分が面接で聞くことなく把握できる。

「ボーナス4ヶ月って書いてあるけど、実際どうなんですか?」を代わりに聞いてくれる、という使い方だ。年収の3〜4割がボーナスで決まる職種だから、ここを確認せずに転職するのはリスクが高すぎる。


まとめ:数字を知ることから働き方は変わる

ボーナスの話は、同僚とも友達とも、なかなかできない。でも、自分の暮らしに直結する大事な数字だ。

私が同期に「ボーナス出た?」と聞けなかった日から、もう何年も経つ。今は、私立でも納得できるボーナスを出してくれる園にいる。当時の自分に言いたいのは、「聞けない気持ちを抱えたままにせず、数字で比べて動いていい」ということだ。

Bさんも結局、自分の園の賞与実績を転職サービス経由で調べ直して、「自分の園が処遇改善加算IIIを賞与に乗せていない」ことを知った。それをきっかけに、加算を賞与に反映する法人へ転職活動を始めた。今は前より納得して働いている。

数字を知ることから、働き方は変わっていく。


合同会社アワーソイル ほいくパーク編集部

保育士のボーナス事情についてよくある質問

公立と私立でボーナスはどれくらい違う?

公立は年4.3〜4.5ヶ月で年80〜130万円、私立は中央値で年45〜85万円程度の水準です。

2026年時点で公立保育士は条例で4.3〜4.5ヶ月分が決まっており、年間80〜130万円。私立は園ごとにバラつき、社会福祉法人系で4〜5ヶ月、企業内保育では寸志5万円のケースもあります。差は最大100万円です。

「100万円差」は本当?

基本給差・支給月数差・地域手当の合計で年75〜100万円差が実在し誇張ではないです。

公立と私立の差を分解すると、基本給差年24万円、ボーナス月数差36万円、地域手当のボーナス反映分15〜40万円。これらを合算すると75〜100万円の年収差が生まれる構造で、誇張ではありません。

私立保育園のボーナス相場は?

社福系4〜5ヶ月・中堅3〜4ヶ月・小規模認可2〜3ヶ月・企業内は寸志のケースもあります。

私立は園のタイプで分かれます。社会福祉法人系の老舗4〜5ヶ月、中堅認可で3〜4ヶ月、小規模認可・新興株式会社で2〜3ヶ月、認可外・企業内で1〜2ヶ月や寸志10万円以下。求人票で月数確認は必須です。

新卒1年目のボーナスはいくら?

公立は勤続期間で按分されるため満額支給ではなく、最初の夏は数万円のことが多いです。

公立保育士の場合、新卒の最初の6月ボーナスは勤続期間(4〜5月の2ヶ月分)で按分されるため満額が出ません。冬は満額に近づきますが、年間で見ると2年目以降より大幅に少なくなります。

私立で公立並みのボーナス園はある?

社会福祉法人系の老舗で4ヶ月超出る園は実在し、求人票の月数記載で見抜くことができます。

社会福祉法人系で歴史のある老舗園では賞与4.2ヶ月などの実例があります。求人票の「賞与○ヶ月分」を必ず確認し、3ヶ月以下なら平均より下、4ヶ月超なら優良と判断する目安として使えます。


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